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2010年5月号「カインとアベル」
「カインとアベル」シャガール(1887-1985)
人はその妻エバを知った。彼女はみごもり、カインを産んで言った、「わたしは主によって、ひとりの人を得た」。彼女はまた、その弟アベルを産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。日がたって、カインは地の産物を持ってきて、主に供え物とした。アベルもまた、その群れのういごと肥えたものとを持ってきた。主はアベルとその供え物とを顧みられた。しかしカインとその供え物とは顧みられなかったので、カインは大いに憤って、顔を伏せた。そこで主はカインに言われた、「なぜあなたは憤るのですか、なぜ顔を伏せるのですか。正しい事をしているのでしたら、顔をあげたらよいでしょう。もし正しい事をしていないのでしたら、罪が門口に待ち伏せています。それはあなたを慕い求めますが、あなたはそれを治めなければなりません」。カインは弟アベルに言った、「さあ、野原へ行こう」。彼らが野にいたとき、カインは弟アベルに立ちかかって、これを殺した。主はカインに言われた、「弟アベルは、どこにいますか」。カインは答えた、「知りません。わたしが弟の番人でしょうか」。主は言われた、「あなたは何をしたのです。あなたの弟の血の声が土の中からわたしに叫んでいます。今あなたはのろわれてこの土地を離れなければなりません。この土地が口をあけて、あなたの手から弟の血を受けたからです。あなたが土地を耕しても、土地は、もはやあなたのために実を結びません。あなたは地上の放浪者となるでしょう」。カインは主に言った、「わたしの罰は重くて負いきれません。あなたは、きょう、わたしを地のおもてから追放されました。わたしはあなたを離れて、地上の放浪者とならねばなりません。わたしを見付ける人はだれでもわたしを殺すでしょう」。主はカインに言われた、「いや、そうではない。だれでもカインを殺す者は七倍の復讐を受けるでしょう」。そして主はカインを見付ける者が、だれも彼を打ち殺すことのないように、彼に一つのしるしをつけられた。カインは主の前を去って、エデンの東、ノドの地に住んだ。 (創世記4:1-16)
神さまは、ご自分のかたちに人を創造されました。それがアダムさんです。アダムさんの骨からエバさんが造られました。この二人の家庭に二人の子ども、カインとアベルが与えられました。
カインは土を耕す人になり、アベルは羊を飼う人になりました。この二人も神さまを信じていたので、カインは、神さまに収穫した物を献げました。アベルも、羊の中で初めて生まれた子羊を献げました。神さまは、アベルの献げ物に目を留められました。カインの献げ物には目を留められませんでした。
どうして神さまがこのようにされたのかは、私たちにはわかりません。神さまにお考えがあってされたのです。でも、カインは、神さまのなさったことにすごく怒ってしまいました。
神さまは、カインに「どうして怒るのか。どうして顔を伏せるのか。正しいことをしているのなら、顔を上げなさい。怒ったままでは罪を犯すよ。」と忠告されました。しかし、カインは神さまの言を聞かないで、恐ろしいことを考えていました。そして、大事な弟アベルを殺してしまいました。そして、地に埋めて隠しました。
神さまがカインに「アベルはどこにいるのか。」と尋ねられた時、カインは「知りません。」と答えました。神さまは、「何ということをしたのか。アベルの血が、土の中から叫んでいる。」と言われました。
神さまから顔を背けると、正しいことができません。これを聖書では「罪」といいます。罪を犯したら、人には知られなくても、神さまはすべてを知っておられます。
しかし、神さまは、罪を犯した者も見捨てないで守ってくださいます。カインを殺す者は七倍の復讐を受けると言われ、カインも守ってくださいました。私たちもカインの子孫です。罪を犯す人間ですが、神さまは、私たちを罪から救うために、イエスさまをこの世にくださったのです。
私たちは、そのイエスさまの十字架の死によって罪が赦されていることを信じて、神さまに感謝して歩んでゆきましょう。
(お話 宮庄 佳子)