- ホーム
- 教会学校
- 教会学校新聞 いずみのひろば
- 2008年のコラム
- 2008年9月号「わたしはあなたの神」
2008年9月号「わたしはあなたの神」
「モーセと十戒の石板」レンブラント(1606-1669)
「わたしはあなたの神、主であって、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出した者である。」(出エジプト記20:2)
みんなもよく知っている「十戒」の最初の言葉です。イエスさまが生まれるよりもずっと昔、イスラエルの人たちは、エジプトで奴隷として生活していました。王さまの命令どおりに働かなければならない、とても苦しい生活でした。しかし、神さまは、イスラエルの人たちの苦しむ声をちゃんと聞いておられました。神さまは、モーセさんを通して、イスラエルの人たちを苦しい生活から助け出してくださったのです。そして、エジプトから、神さまが示してくださる新しい土地へ向かう途中のシナイ山という場所で、神さまは、石の板に書かれた十戒を与えてくださいました。十戒は、神さまがわたしたちに与えてくださった約束です。その約束のいちばん最初のところで、神さまは、「わたしはあなたの神」とおっしゃっているのです。
神さまがわたしたちの神さまでいてくださるということ、わたしたちが神さまの子どもであるということは、どういうことでしょう。わたしたちは、ついつい「人間が十戒を守れば、神さまは神さまでいてくださり、恵みを与えてくださるけれど、十戒を守らなくなると神さまはお怒りになる」と考えてしまいます。しかし、神さまと人間の関係はそうではありません。
十戒には、いちばん始めにいきなり「わたしはあなたの神」と書いてあります。しかも、「あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出した者」だ、救いの神だと書いているのです。そこには何の条件もないのです。わたしたち人間の側がどうであっても、神さまは、つねにわたしたちの神さまでいてくださるのです。十戒は、あくまで、神さまのそんな一方的な恵みの上に、わたしたちに与えてくださった約束なのです。
9月の教会学校は、みんなで一緒に十戒を学んでゆきたいと思います。二学期も、共に神さまを礼拝しましょう。
(お話 忠岡 博)
十戒
わたしはあなたの神、主であって、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出した者である。
- あなたはわたしのほかに、なにものをも神としてはならない。
- あなたは自分のために、刻んだ像を造ってはならない。
- あなたの神、主の名を、みだりに唱えてはならない。
- 安息日を覚えて、これを聖とせよ。
- あなたの父と母を敬え。
- あなたは殺してはならない。
- あなたは姦淫してはならない。
- あなたは盗んではならない。
- あなたは隣人について、偽証してはならない。
- あなたは隣人の家をむさぼってはならない。