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2010年1月号「神さまのものは、神さまへ」
さて、人々はパリサイ人やヘロデ党の者を数人、イエスのもとにつかわして、その言葉じりを捕えようとした。彼らはきてイエスに言った、「先生、わたしたちはあなたが真実なかたで、だれをも、はばかられないことを知っています。あなたは人に分け隔てをなさらないで、真理に基いて神の道を教えてくださいます。ところで、カイザルに税金を納めてよいでしょうか、いけないでしょうか。納めるべきでしょうか、納めてはならないのでしょうか」。イエスは彼らの偽善を見抜いて言われた、「なぜわたしをためそうとするのか。デナリを持ってきて見せなさい」。彼らはそれを持ってきた。そこでイエスは言われた、「これは、だれの肖像、だれの記号か」。彼らは「カイザルのです」と答えた。するとイエスは言われた、「カイザルのものはカイザルに、神のものは神に返しなさい」。彼らはイエスに驚嘆した。(マルコによる福音書12:13-17)
自分たちの地位や名誉を何より大切にする人たちは、イエスさまが邪魔でした。機会があれば、イエスさまを捕まえて、やっつけてしまおうと考えていました。こんなことを聞いたら答えられず、どうしようもなくなるに違いないという、いじわるな質問をイエスさまに突きつけました。
きょうの聖書では、イエスさまを困らせようとしたパリサイ派の人たちとヘロデ党の人たちが、イエスさまに、「カイザルに税金を納めるべきでしょうか。納めてはならないでしょうか。」と尋ねました。イエスさまは、彼らが陥れようとしていることを見抜いておられました。
税金は必ず自分の国に納めなければならないお金です。けれども、ユダヤの人は、ユダヤの国を支配していたローマの国に納めなければなりませんでした。自分たちが一所懸命働いたお金をローマ帝国の皇帝に納めなければならないことを、とても不満、矛盾に思っていました。
イエスさまは、皇帝の顔が刻まれている銀貨を持ってこさせて、「カイザルのものはカイザルに、神さまのものは神さまに返しなさい。」とはっきりおっしゃいました。お答えによってはイエスさまを捕まえられると思っていた人たちは、当てが外れ、あまりの答えにびっくりしてしまいました。
税金を納めるのは国民としての義務で、納めなければなりません。しかし、すべては神さまのものです。私たちひとりひとり、皇帝もまた、神さまに造られたものなのです。
イエスさまは、皇帝に仕えるのではなく、まことの神さまだけにお仕えになられたお方です。それは、神さまの御心に従って、私たちを罪から救うためにご自分の生命を献げてくださったことに表れています。
私たちも、イエスさまにならって、神さまに心から従ってゆきましょう。
(お話 上田 信子)