- ホーム
- 教会学校
- 教会学校新聞 いずみのひろば
- 2010年のコラム
- 2010年8月号「あなたの神は、わたしの神」
2010年8月号「あなたの神は、わたしの神」
「刈り入れ人たちの休息(ルツとボアズ)」ミレー(1814-1875)
しかしナオミは言った、「娘たちよ、帰って行きなさい。どうして、わたしと一緒に行こうというのですか。あなたがたの夫となる子がまだわたしの胎内にいると思うのですか。娘たちよ、帰って行きなさい。わたしは年をとっているので、夫をもつことはできません。たとい、わたしが今夜、夫をもち、また子を産む望みがあるとしても、そのためにあなたがたは、子どもの成長するまで待っているつもりなのですか。あなたがたは、そのために夫をもたずにいるつもりなのですか。娘たちよ、それはいけません。主の手がわたしに臨み、わたしを責められたことで、あなたがたのために、わたしは非常に心を痛めているのです」。彼らはまた声をあげて泣いた。そしてオルパはそのしゅうとめに口づけしたが、ルツはしゅうとめを離れなかった。そこでナオミは言った、「ごらんなさい。あなたの相嫁は自分の民と自分の神々のもとへ帰って行きました。あなたも相嫁のあとについて帰りなさい」。しかしルツは言った、「あなたを捨て、あなたを離れて帰ることをわたしに勧めないでください。わたしはあなたの行かれる所へ行き、またあなたの宿られる所に宿ります。あなたの民はわたしの民、あなたの神はわたしの神です。あなたの死なれる所でわたしも死んで、そのかたわらに葬られます。もし死に別れでなく、わたしがあなたと別れるならば、主よ、どうぞわたしをいくえにも罰してください」。ナオミはルツが自分と一緒に行こうと、固く決心しているのを見たので、そのうえ言うことをやめた。そしてふたりは旅をつづけて、ついにベツレヘムに着いた。彼らがベツレヘムに着いたとき、町はこぞって彼らのために騒ぎたち、女たちは言った、「これはナオミですか」。(ルツ記1:11-19)
昔、ユダヤのベツレヘムに、まことの神さまを信じるエメリクさん、ナオミさんという夫婦と、その二人の息子がいました。ある時、ユダヤの国に飢饉(雨が降らず作物が育たない状況)が襲いました。
ナオミさんたちは、食べ物を求めて、豊かなモアブという隣国に引っ越してきました。そこでナオミさんの夫エメリクさんは死んでしまいましたが、二人の息子たちは、モアブの優しい女性と結婚しました。オルパさんとルツさんです。
モアブの国では、ナオミさんたちの信じるまことの神さまのことを知りませんでした。しかし、家族となってみんなでいつも礼拝を守り、仲良く暮らしていました。
ところが、また悲しいことが起こりました。ナオミさんの二人の息子が次々と死んでしまったのです。悲しみの中で、ナオミさんは故郷ベツレヘムへ帰ることを決心しました。
そして、オルパさんとルツさんに言いました。「あなたがたはモアブに残って幸せになってください。」
二人は「いえいえ、ご一緒に行きます。」と言いました。
ナオミさんが繰り返して話したので、オルパさんはお母さんの言うとおりに立ち去って行きました。
けれど、ルツさんは「あなたの神は、わたしの神です。あなたの行かれるところにわたしも行かせてください。」と熱心に頼みました。
ルツさんは、神さまを信じることが何よりも大切であることを、神さまが与えてくださった家族によって知りました。ルツさんの固い決心に、ナオミさんは、自分の生まれた国にルツさんを連れて帰りました。神さまは、親鳥が翼を拡げて雛を守るように、ナオミさん、ルツさんをいつも守ってくださいました。そして、ルツさんを通して、救いの道を開いてくださったのです。
やがて、ルツさんは、ナオミさんの親戚のボアズさんと結婚して子どもが与えられ、その子どもからエッサイさんが生まれ、さらに、その子どもダビデさんが生まれ、百年以上後にイエスさまの誕生へと続いていくのです。
(お話 上田 信子)
※都合により、7月号は休みました。