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2011年12月号「クリスマスの喜び」
さて、この地方で羊飼たちが夜、野宿しながら羊の群れの番をしていた。すると主の御使が現れ、主の栄光が彼らをめぐり照したので、彼らは非常に恐れた。御使は言った、「恐れるな。見よ、すべての民に与えられる大きな喜びを、あなたがたに伝える。きょうダビデの町に、あなたがたのために救主がお生れになった。このかたこそ主なるキリストである。あなたがたは、幼な子が布にくるまって飼葉おけの中に寝かしてあるのを見るであろう。それが、あなたがたに与えられるしるしである」。するとたちまち、おびただしい天の軍勢が現れ、御使と一緒になって神をさんびして言った、「いと高きところでは、神に栄光があるように、地の上では、み心にかなう人々に平和があるように」。(ルカによる福音書2:8-14)
教会学校のクリスマスページェント。羊飼いのシーンで、ナレーターがこう言います。
「ベツレヘムの馬小屋で赤ちゃんが生まれたころ、ベツレヘムの野原では、羊飼いたちが、夜に野宿をしながら羊の群れの番をしていました。」
ページェントの場面では、真ん中にたき火がありましたよね。聖書の時代の、本当のベツレヘムの冬の気候はよくわかりませんが、きっと寒かったのでしょう。羊飼いの人たちは、たき火で温まりながら、夜通し、羊の群れの番をしていました。羊たちは、すやすや眠っています。その間に泥棒が来て羊を盗んでいったり、狼が来て羊を食べてしまったりしないように、羊飼いたちは、徹夜で羊の群れの番をしていたのです。羊飼いって、きつい仕事です。寒い冬でも徹夜で羊を見張らなくてはなりません。また、泥棒や狼は人間も襲うかもしれませんから、命がけです。現代なら、車の中で暖房を付けて、テレビでも見ながら羊の番をしたらいいのかもしれませんが、この時代は電気もなく、夜は真っ暗です。もちろんコンビニもありません。携帯電話もないので、友だちと電話でお喋りしながら羊の番をしたりすることもできません。そんなふうに、きつい仕事ですから、羊飼いは、身分の低い人の仕事と考えられていました。身分の低い人たちなので、誰からも相手にされません。また、安息日の礼拝も守れず、律法も守ることができないので、罪人とされて惨めな思いをしていました。そんな羊飼いたちが、たき火を囲んでお話ししていたのです。
「昔、神さまが救い主を送ってくださると約束してくださってから、もう何百年になるんだろうか。」
「救い主は、いつ来られるんだろう。早く来てほしいな。」
すると、その時、突然、夜なのに空が明るく光りました。
「おい、あの光はなんだ!」と、思わず羊飼いは言いました。
天使が降りてきて言いました。
「あなたがたに、すばらしい喜びを知らせに来ました。きょう、ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになりました。」
「あなたがたは、幼な子が布にくるまって飼い葉おけの中に寝かせてあるのを見るでしょう。この方こそ、あなたがたが待っていた救い主です。」
続いて、降りてきた大勢の天使たちがこういいました。
「いと高き所では、神に栄光があるように。地の上では、み心にかなう人々に平和があるように。」
羊飼いたちは、急に元気が出てきました。こんな身分の低い、いやしい仕事をしていると思われていた羊飼いに、天使たちは、誰よりも早く、世界でいちばん最初に、救い主がお生まれになったことを知らせてくれたのです。羊飼いたちは、うれしくなって立ち上がりました。
「さあ、ベツレヘムの町へ行こう。」
「そうだ、救い主に会いに行こう。」
イエスさまは、すべての人を照らすまことの光として、この世においでになりました。みなさんの中にも、自分が惨めで、悲しい思いをしている人はいませんか? さみしい思いをしている人や、つらい、苦しい思いをしている人はいませんか? でも、すべての人の救い主として、イエスさまがお生まれになったんです。この喜びを多くの人たちに伝えたい。羊飼いたちも、あれから、ベツレヘムの馬小屋でイエスさまとお会いしてから、この喜びを、会う人会う人に伝えてまわりました。
「救い主がお生まれになったよ!」
「救い主がお生まれになったよ!」って。
(お話 忠岡 博)