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2013年8月号 「預言者バラム」
「バラクとバラム」レンブラント(1606-1669)
しかるに神は彼が行ったために怒りを発せられ、主の使は彼を妨げようとして、道に立ちふさがっていた。バラムは、ろばに乗り、そのしもべふたりも彼と共にいたが、ろばは主の使が、手に抜き身のつるぎをもって、道に立ちふさがっているのを見、道をそれて畑にはいったので、バラムは、ろばを打って道に返そうとした。しかるに主の使はまたぶどう畑の間の狭い道に立ちふさがっていた。道の両側には石がきがあった。ろばは主の使を見て、石がきにすり寄り、バラムの足を石がきに押しつけたので、バラムは、また、ろばを打った。主の使はまた先に進んで、狭い所に立ちふさがっていた。そこは右にも左にも、曲る道がなかったので、ろばは主の使を見てバラムの下に伏した。そこでバラムは怒りを発し、つえでろばを打った。すると、主が、ろばの口を開かれたので、ろばはバラムにむかって言った、「わたしがあなたに何をしたというのですか。あなたは三度もわたしを打ったのです」。バラムは、ろばに言った、「お前がわたしを侮ったからだ。わたしの手につるぎがあれば、いま、お前を殺してしまうのだが」。ろばはまたバラムに言った、「わたしはあなたが、きょうまで長いあいだ乗られたろばではありませんか。わたしはいつでも、あなたにこのようにしたでしょうか」。バラムは言った、「いや、しなかった」。このとき主がバラムの目を開かれたので、彼は主の使が手に抜き身のつるぎをもって、道に立ちふさがっているのを見て、頭を垂れてひれ伏した。(民数記22:22-31)
バラムは、モアブの国の預言者です。モアブの国は、イスラエルの人々が目指すカナンの目の前にある国です。
イスラエルの人々は、神さまがモーセを通してエジプトの国から救い出され、40年の間、荒野の生活でいろんな困難に出会いますが、いつも、神さまが共にいてくださり、奇跡によって守られ、途中には強い国もたくさんありましたが、無事に戻ってくることができました。目の前にある強い国モアブを通ると、カナンに到着です。
モアブとイスラエルは、先祖が同じです。だから、イスラエルには神さまがついていることを知っています。モアブの王は、自分の国をイスラエルの人々に通ってほしくありません。でも、戦ったら負けてしまうと思い、預言者バラムに助けを求めました。イスラエルに呪いを掛けるように、使者を送りました。
しかし、それを聞いたバラムは、その夜、夢の中で神さまから「イスラエルの民を呪ってはならない。」と言われました。バラムは、モアブの王様に「できません。」と断りました。でも、王はさらに身分の高い使者を送ってきました。
夜になると、神さまはバラムに「モアブの王の所に行って、わたしの告げることだけを行いなさい。」と告げられました。しかし、バラムは、王様の言うことを聞いたらご褒美をもらえるかもと心で思いながら、ろばに乗って王様の所へ出発しました。
神さまは、バラムの心を知って、天使をバラムの行く道に遣わされました。天使は剣を抜いて立ちふさがっています。ろばには天使の姿が見えたので、身をかがめて動かないでいました。でも、天使の姿が見えないバラムは、ろばを鞭で打ちました。
その時、神さまはろばの口を開き、ろばは「なぜ三度も打ったのですか。」と言いました。それを聞いたバラムは神さまによって心を開かれ、天使の姿が見えました。自分が間違った道を歩むのを神さまが止めてくださったことを知りました。
ろばの口を通して心を変えられたバラムは、モアブの王の所へ行き、「王様の言うことは聞けません。」と、はっきりと言うことができました。
神さまは、いろんな方法で、間違いを正しい道に導いてくださることを示されます。神さまは、私たちの心の目を開かれて、正しい道に導いてくださることを信じて歩みましょう。
(お話 宮庄 佳子)
聖書:(c)日本聖書協会 Japan Bible Society, Tokyo 1954,1955