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2013年7月号 「モーセの召命」
2013年7月号「モーセの召命」
「モーセと燃える柴」マルク・シャガール(1887-1985)
モーセは妻の父、ミデヤンの祭司エテロの羊の群れを飼っていたが、その群れを荒野の奥に導いて、神の山ホレブにきた。ときに主の使は、しばの中の炎のうちに彼に現れた。彼が見ると、しばは火に燃えているのに、そのしばはなくならなかった。モーセは言った、「行ってこの大きな見ものを見、なぜしばが燃えてしまわないかを知ろう」。主は彼がきて見定めようとするのを見、神はしばの中から彼を呼んで、「モーセよ、モーセよ」と言われた。彼は「ここにいます」と言った。神は言われた、「ここに近づいてはいけない。足からくつを脱ぎなさい。あなたが立っているその場所は聖なる地だからである」。また言われた、「わたしは、あなたの先祖の神、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である」。モーセは神を見ることを恐れたので顔を隠した。主はまた言われた、「わたしは、エジプトにいるわたしの民の悩みを、つぶさに見、また追い使う者のゆえに彼らの叫ぶのを聞いた。わたしは彼らの苦しみを知っている。わたしは下って、彼らをエジプトびとの手から救い出し、これをかの地から導き上って、良い広い地、乳と蜜の流れる地、すなわちカナンびと、ヘテびと、アモリびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとのおる所に至らせようとしている。いまイスラエルの人々の叫びがわたしに届いた。わたしはまたエジプトびとが彼らをしえたげる、そのしえたげを見た。さあ、わたしは、あなたをパロにつかわして、わたしの民、イスラエルの人々をエジプトから導き出させよう」。(出エジプト記3:1-10)
エジプトに移り住んだイスラエルの人々は、だんだん数も増えていきました。最初は仲が良かったエジプト人とも、仲が悪くなり、イスラエル人は奴隷として働かされ、迫害を受け、毎日つらい仕事をさせられていました。そして、イスラエル人に男の赤ちゃんが生まれたら、一人残らずナイル川に放り込め、という恐ろしい命令が出されました。
その頃、イスラエル人のある家に、男の子が生まれました。しばらく隠していましたが、とうとう、かごに入れて、ナイル川の岸辺に置きました。でも、王女によって拾われ、エジプトで王様の子として育ちました。この赤ちゃんの名前がモーセさんです。
大きくなったモーセさんは、自分がイスラエル人であることを知っていたので、イスラエルの人々が奴隷として毎日つらい仕事をさせられていることを悲しく思っていました。そんなある日、エジプト人がイスラエル人を鞭で打っているのを見て、同じイスラエル人を助けようとして、そのエジプト人を殺してしまいました。そのことが王様に知れて、モーセさんはミデアンという所に逃げました。そこで結婚をして、羊飼いとして過ごすことになりました。
ある日、羊を追ってホレブの山に来た時、柴が燃えているのが見えました。しかし、その柴は、火は付いているのに燃え尽きないのです。不思議に思って近づきました。すると、神さまの声がしたのです。「今、行きなさい。わたしはあなたをパロに遣わす。わたしの民、イスラエルの人々を、エジプトから導き出すのだ。」
モーセさんはびっくりしました。「イスラエルの人々をエジプトから連れ出し、助け出し、救い出しなさい。」そう神さまに声を掛けられたからです。モーセさんは、「自分にはそんなことはできません。」と断りましたが、「わたしは必ずあなたと共にいます。」と神さまは約束されました。
こうして神さまは、モーセさんを用いて、イスラエルの人々をエジプトから救い出し、神さまを礼拝する民になさいました。
(お話 森田 裕子)
聖書:(c)日本聖書協会 Japan Bible Society, Tokyo 1954,1955