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2014年3月号「本当の神さまを信じるダニエルさん」
わたしの神はその使をおくって、ししの口を閉ざされたので、ししはわたしを害しませんでした。これはわたしに罪のないことが、神の前に認められたからです。王よ、わたしはあなたの前にも、何も悪い事をしなかったのです。(ダニエル書6:22)
ダニエルさんは、神さまを心から信じている正しい人でした。毎朝早く起きてお祈りをし、お昼にも、夕方にも、いつもお祈りしていました。王さまは、ダニエルさんのことが大好きでしたし、誰よりも信頼できる人だったので、国でいちばん偉い大臣の一人に選びました。ダニエルさんは、神さまから知恵をいただいていたので、難しい仕事でも何でも上手にすることができ、王さまから可愛がられ、頼りにされていました。
でも、そのことを喜ばない人たちがいました。その人たちは、ダニエルさんの悪い所を探して王さまに言いつけようとしましたが、神さまを信じているダニエルさんには、悪い所が一つも見つかりません。その人たちは、悪い相談をして、揃って王さまの所へやってきました。
「王さまが誰よりも偉く、神さまよりも偉いお方だということを国中の者が分かるように、これから30日の間、王さまだけを拝んで、神さまにお祈りしてはならないという「決まり」を作りましょう。「決まり」を守らなかった者はライオンのいる洞窟の中に放り込まれることにしましょう。」
王さまは何も考えずに、この人たちの言うことを聞いてしまいました。
ダニエルさんは王さまの命令を知りませんでした。でも、ダニエルさんは、神さまを礼拝し、お祈りをすることをやめませんでした。ダニエルさんは捕らえられ、ライオンのいる洞窟の中に放り込まれてしまいました。王さまはなんとかそれを止めたいと思いましたが、自分の出した命令を自分で破ることはできません。王さまは、ダニエルさんがライオンの洞窟に放り込まれる時に、「どうかあなたがいつもお祈りしている神さまが、あなたをお救いくださるように。」と言いました。
とうとうダニエルさんは洞窟の中に入れられてしまいました。王さまは心配で、夜が明けるとすぐに様子を見に行きました。
「ダニエル!大丈夫か?神さまが守ってくださったか?」
すると、中からダニエルさんの元気な声が聞こえてきました。
「わたしが悪いことを何もしていなかったので、神さまが守ってくださいました。神さまが天使を送ってライオンの口をふさいだので、わたしは何の危害も加えられませんでした。」
王さまは、ダニエルさんが神さまに守られていたので、とても嬉しくなりました。そして、本当の神さまはダニエルさんが信じている神さまであることを知らされました。そして、「ダニエルを守ってくださった神さまこそ、たった一人の本当の神さまです。国中の者もこの神さまを礼拝するように。」と命令を出しました。
本当の神さまは、ダニエルさんが信じ、私たちが信じている神さまだけなのです。
(お話 森田 裕子)
「獅子穴のダニエル」ステファヌス・ガルシア・プラキドゥス『ベアトゥス黙示録註解』(「ダニエル書」部分挿絵)11世紀半ば サン・スヴェール=シュル=ラドゥール修道院 パリ国立図書館蔵