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2015年1月号「隣人について偽証してはならない」
こういうわけだから、あなたがたは偽りを捨てて、おのおの隣り人に対して、真実を語りなさい。わたしたちは、お互に肢体なのであるから。
(エペソ人への手紙4:25)
今回のテーマは、モーセの十戒の9番目の戒めです。「隣人について偽証してはならない」という戒めです。
「偽証」という言葉、難しい言葉ですが、もともと「偽証」というのは裁判で使われる言葉です。裁判では、証言者の言葉によって人を罪に定めることになります。わかりやすい言葉で言うと「偽証とは、嘘をつくこと」で、聖書では「嘘をついてはいけません」と言っています。「偽証してはならない」を言い換えると「ほんとうのこと、真実を語りなさい」ということです。
嘘を言ってはいけないなんて、当たり前のことと思いますが、人間社会において、不正や証拠隠し、偽装、偽造などの事件は次々と起こっているのが現実です。
たとえば、学校で教室に飾ってあった花瓶をAさんが間違えて割ってしまった。たまたまそこを通りかかった私が見ていたとします。あとで、先生から私に「誰が割ったのですか?」と聞かれて、「Aさんが割ったのではなく、Bさんが割った」と、Aさんをかばって嘘を言ったとします。
これは、友達について嘘の証言をした、つまり偽証したということになります。
また、聖書の言葉に「隣人について」とあります。ここで「隣人」とは誰なのか、ということも問題となります。
「隣り人とは誰ですか」の答えは、イエスさまの「善きサマリア人」のたとえ話(ルカによる福音書10:25-37)の中にあります。ぜひ、聖書の箇所を開いてください。そこでイエスさまがおっしゃったことは、大切なのは隣り人とは誰かではありません。人を愛しなさい、隣り人となりなさいと、聖書が私たちに語りかけています。
(お話 林部 弘)
ドラクロワ「善きサマリア人」1849頃
油彩 パリ、個人蔵